投稿 長寿遺伝子はなぜ生まれたのか 2021-06-03 2000年、サーチュインの発見に際して強力な役割を果たしたのは、実は日本の研究者でした。今井博士です。その後は独立し、ワシントン大学医学部に研究室を構え、サーチュイン研究の第一人者として活躍しています。 なぜあらゆる生物がサーチュイン遺伝子を持ち、カロリー制限によって活性化するのか。この根本的疑問について、今井博士は「この遺伝子が、生物が飢餓を生き延びる為に不可欠な存在だったから」と考えているようです。 20億年も前、私たちの祖先がまだ単細胞生物だった時代、飢餓が最大の脅威だったのです。不死性を持っているといっても、環境悪化に対抗できません。飢餓が長引けば全滅してしまいます。そんな中、ある祖先の体に突然変異で一つの遺伝子が生まれました。 それは、体内にたまる有害な老廃物を掃除する働きを持つ遺伝子でした。老廃物がなくなった事で、老化が遅延され、その個体は飢餓を生き抜く事ができました。このような単純な働きをする遺伝子が、サーチュイン遺伝子の起源だったのではないでしょうか。 前 長寿研究への挑戦 最近 レスベラトロールは薬となり得るか